展覧会のご案内

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『 深 淵 』

size:48×58.5cm

etching, aquatint,drypoint,woodcut

2013

私の作品が3カ所で展示されることになりました。
こうやって制作を続けらるのも、新しい作品を生み出せるのも、いろんな方との関わりがあるからだとつくづく思います。

それぞれ違う作品が展示されます。
お時間と場所など、いろんなご都合に合われたときは足を運んで下さると嬉しいです。

◯県美展
2013年9月10日(火)〜16日(月)
熊本県立美術館分館(本館は洋画が展示されています)
火~金…9:30~18:30
土日祝…9:30~17:15

◯FEI PRINT AWARD
2013年9月17日(火)−10月4日(金)
FEI ART MUSEUM YOKOHAMA
神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町3-33-2 1F
10:00−19:00 ※会期中無休

◯アワガミ国際ミニプリント展
2013年10月12日(土)~11月10日(日)
いんべアートスペース
徳島県吉野川市山川町建石116

波跡

 

大波、小波、寄せては、引いて。

人の心は波のよう。

namiato

『 波 跡 』

size:48×58.5cm

etching, aquatint,drypoint,woodcut

2013

光を求めて・・・

 

“雁皮刷り”とは…

雁皮紙という、オブラートのように薄い和紙を使って刷ります。

インクを詰めた版に雁皮紙をのせ、

水で溶いたのりを刷毛で塗って、

最後に版画紙をのせてプレスします。

インクと紙の間に、雁皮紙をサンドウィッチするのです!!

 

言葉で説明するのは難しいので、次回その全貌をお伝えしたいと思います。

 

 

3版目の銅版。

雁皮紙によって、今まで刷ったものが淡ーい色合いに変化します。

the breathy forest 3

 

 

最後の4版目。

the breathy forest

完成です。

 

 

刷りという行程は、トンネルのよう。

薄暗い中を、光を求めて進んでいく。

その光は、あるかもわからない、存在不明な光。

わたしにしか見ることのできない光。

見えたときは、しっかり手で捕まえる。

そして、また必ず会えることを信じて手放す。

 

 

トンネルの中・・・

 

今回出品するコンペは、和紙を使ったミニプリント展です。

熊本県唯一の手漉き和紙、“宮地手漉和紙”を使いました。

江戸時代から続くこの和紙は、八代市の妙見宮近くの工房で、おじいさんが一人で作っていらっしゃいます。

素朴で、おじいさんの手の温もりが伝わってくる、素晴らしい和紙です。

この和紙と出会い、「この紙で刷りたい!」と思ってから2年半・・・。

 

やっと刷りました。

やっと完成しましたーーー!!!

 

 

1版目の木版凹版。

彫刻刀との丸い彫り跡が好きです。

絵の具にちょっとパールホワイトを混ぜて、きらきらさせるのです。
the breathy forest 1

 

 

苦戦した2版目、ラワンベニアのグラデーション。

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1回目の刷りで、手漉き和紙の表面とベニアの表面がくっつき合い、

毛羽立つというハプニングが。

紙の湿し具合やプレス圧を変えたり・・・。

そして多少の毛羽立った感は目をつぶることに。

 

 

この次は銅版を2版重ねます。

が、しかし!もっと毛羽立つことに気付きました。

銅版の表面と、和紙の表面は、どちらも凹凸があります。

お互いがひっかき合って、くっつき合って、剥がれてしまうーー!

 

いつも思います。

“刷り”という行程はトンネルだと。

 

悩んだ末に、初の“雁皮刷り”で仕上げることに決めたのでした。  つづく・・・

美しいふたり

先日、宇城市三角岳に登ったときのことです。

 

イシガケチョウに出会いました。

その名の通り、石崖・石垣模様をしています。

美しい線…。

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よーく見ると…、下のやつ、なんだろ。

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レースのスカートを身にまとったこの子は、キノコでした。

キヌガサダケという、準絶滅危惧種です。

なんとドレッシー!これまた美しい…。

 

森は不思議です。

足を踏み入れ、どんどん進んでいくうちに世界が変わっていく。

滅多に見られない生き物に出会ったり、

普段では味わうことのできない時間を過ごすことができる。

 

あの場所へ行きたいな。

過ごしたいな。会いたいな。

ああ…、好きだなー。

 

森の共生

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熊本県富合町にある雁回山に登りました。

本当は久住山の予定だったのですが、雨に見回れたため、曇り空の中、近場の山へ出かけたのです。

(※雁回山[がんかいざん]の山名は、弓の名人・鎮西八郎為朝が山の上を飛ぶ雁を射落としたため、雁が山を避けて遠回りして飛んだ事に由来しているそうです。)

 

雨が降った後の森は静寂していて、かすかな光を捕まえて輝いていました。

一番美しかったのは、苔たちです。雨の雫に濡れて、緑が一層引き立っていました。

それぞれの緑を生み出し、それぞれの形で生きている姿に見惚れました。

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いつか、苔描こーっと。

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LOVE & BEAUTIFUL

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いつもはざっくりとしたエスキースで、感覚で版に起こしてきたけど、

今回はちょっとだけ丁寧にやってます。

下絵もじっくり作ってます。

 

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これはもうすぐ小品のコンペがあるので、それ用の作品。

久しぶりに木をモチーフにしてます。

山登りしたときの、森の木です。

私が美しいと思った風景や見たときの感動を、作品を通して伝えるのは難しい。

だからこそ美しく、愛おしく作りたい。

esquisse

ようやく、時間が取れるようになってきたので、アトリエの掃除しながらエスキース。

構想やコンセプトを考える、この行程が好きです。

 

学生の頃の作品をまじまじと見ると、「ぷっ!」と吹き出しそうになる。

刷りがズレてたり、変なところで切れてたり・・・。

 

でも、熱が感じられる。

やかんにお湯沸かして、ぐらぐら沸かしすぎて、いつの間にか蒸発してる。

そんでまたやかんに水を足して、火を付ける。

みたいな熱いヤツ。

 

大丈夫。そんなやつに、きっと負けない。

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雨の日の夜

天草に帰ってきてもうすぐ3年が経ちます。
いろんな出会いや縁に恵まれて、少しずつ“何か”が見えてきました。
それが何なのか、まだわかりませんが、毎日楽しくやれています。

そうだ、以前作りかけてた作品です。

ぶれてますねー。
徳島での個展のときの画像です。
すてきな画廊でした。